メタマテリアル 相互結合抑制法

防衛大学校 電気電子工学科  道下尚文先生

右手/左手系複合伝送線路を用いた左手系ダイポールアンテナが考案されている。
左手系ダイポールアンテナは-1次共振を用いることでアンテナの小形化を実現できるが,帯域幅は狭帯域で、利得は減少する。

本研究では,左手系伝送線路を励振素子としてではなく無給電素子として用い、線状ダイポールアンテナ近傍 に配置することにより帯域阻止効果があることを、モーメント法に基づくシミュレーションにより明らかにしている。


次に、阻止周波数における電流分布及び放射指向性から、左手系無給電素子は反射器として動作する。分布定数素子で構成されたCRLH無給電素子を2つのダイポールアンテナ間に配置し、相互結合抑制効果を実証した。

メタマテリアル技術を用いた右手/左手系複合伝送線路の単位セルを構成するインターデジタルキャパシタとメアンダラインインダクタはラインスペース幅50μmの微細構造です。
アンテナ素子に用いる際には複数のセルで素子を構成するため、 その加工範囲は大面積となります。

弊社のFP-21T Precisionにより、微細加工を要する大面積なメタマテリアル素子を高精度に製作することが初めて可能となりました。